医者も忙し過ぎて/無限上昇のカノン
いつも混んでいる待合室
予約時間はとっくに過ぎて
いったい何時間待ちだろう
いい加減疲れた頃に名前を呼ばれる
挨拶もそこそこに
現状維持が出来ているなら
いつものお薬出しておきます
はい、さようなら
質問したいことも言い出せないまま追い出される
はいはい こちらも15年以上のお付き合い
現状維持が出来ているだけマシだと思って
とぼとぼ帰る帰り道
これ以上を望むのは
多分、贅沢なことなのだろう
帰りの電車は遅れてる
同情する気も起きないなんて
いつから、こんなに冷たくなった?
エゴグラムを辿ってみれば
綺麗な直線
まったく振れ幅がないなんて
ちょっと前まで考えられなかった
そろそろ卒業したいけど
断薬する勇気もない
呼吸も止まる苛立ちに打ち勝てる気がしないから
戻る 編 削 Point(2)