柘榴の国のお姫さま/
そらの珊瑚
遠ざかっていった
換羽期の鳥の声が
丸い国境を突き抜けてくる
騒がしいあの者たちは
待ちきれないのだ
早く私を啄みたくて
いずれ私のすべては
透きとおる赤色の粒に同化して
閉じられたこの世界は突然
割れる
強固で脆い
奇妙ないのちのフラジイル
それも誰かが決めたこと
ききみみを立てれば
風がささやく
もう少しそこで眠っておいで
秋がゆっくりとあなたの国を育てあげるまで
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