しんでもいいといえる容易さで/オオカミ
えなかった
すきといえなかった
泣かなかった、
だれのまえでも
/
はじめて
わたしのために流されたなみだが
はじめて
だれかのまえでわたしを泣かせた
あのとき
はじめて
なにもかも
/
しんでもいいといえる容易さで
青いさかなの色をした肩によりかかる
おまえはときどきわたしをおもいださない
それでもときどきおもいだす
ぬらぬらとひかるその褪せた眼差したちに
はじめてのきもちすべてあげる
/
みてる
しってる
息がとまるところを
みてる
こわい
いやだ
すきです
だけど。
しってるよ
ちゃんと、
みているよ
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