やわらかい鳥/草野春心
 


  芥子色の毛球が
  冬 おもてで鳴っている
  うるうると 陽のひかりが
  今 すこしだけ まぶしいのです

  水のかざりを戴いた
  からの土が 喫茶店をはね、
  わたしの瞳のなかのこころは
  あなたとの朝でいっぱいになります
 
  ああ、
  悲しさの向うのほうから
  やわらかい鳥がとんできては
  あなたとの日々のように透けていく
  けれど すこしだけ まぶしいのです



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