さわやかにわらう/水菜
放っておける人は、愛が深い人だと
昔聞いたわたしが、ひどく取り乱したのを
今のわたしは、ぼんやりおもいます
なにもかもひとの心も軽く流してしまうかのような
さわやかで清々しい風が
カーテンを遊びながらわたしの首筋を撫でて
わたし、ぼんやり窓のそとを眺めました
すこしお行儀悪く、窓枠に座ったわたしは
厚みのある窓枠に上半身を斜めに預けて
すっぽりと窓枠に収まります
片膝を立てて
木のにおいのする少し昭和漂う古い木枠の窓枠は
上下に上げ下げすれば窓が開くタイプになっていて
壁にびっしりはめ込まれた本棚と小さな机と大きな窓枠だけの何もない2階の部屋で
わたし、
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