骨/ただのみきや
骨から 時は 流れ
燃えるように 影もなく
匂いはないが 音はして
もの皆しめし合わせたように
口をつぐむ
秒針だけが雄弁な代行人を装った
あの 内耳に包まれる かつて
なにかの一部だった
真砂たちの囁きのような
見えない泡の消失
わたしたちは窓ガラスの内側で
二度と逃げ出すことのできない蜂の震動を
幼子の頬で感じ続けるしかなかった
見つめるという天然の束縛の中で
莢を被った盲目でしかないことに気がつくと
生まれたての恐怖が奇形の手足を生やす前に
落下に委ねなければならなかった
熟れてなお苦い果実のように
血で汚すささやかな謂れを模索しながら
窓ガラス
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)