ゆくえ ざわめき/木立 悟
 


灰の地層
人工の骨
潰れ かがやく
玩具の群れ


波のはばたき
ひかり振る陽
来ることのない
待ち人の鼓動


動きが動きをくぐり抜け
片手は月に到いている
片足はひとり 曇を踏み
身体を過ぎる震えに触れる


光の粉が沈む音
すれちがい
不明の意味を渡し合い
再び離れ 別れゆく音


ひと足ひと足消えゆく会話
見えても聞こえぬ淵の合いの手
すぐに崩れる相槌が
夜の足元につもりゆく


海のかたち 数億の時
巡る火のざわめき
不確かなままであることを
確かめるさまよい


幻が砂を焼く度に
歩みを止めようとする声は増し
地層を洗う飛沫の下を
足跡はつづき つづきつづける


















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