月夜/
水宮うみ
月の見えない夜に川岸にいる
水面にはさかさまの空が微かに映っていて
まるで鏡の世界にいるみたい
水の音に耳をすませば
鏡の向こうから声が聞こえた気がした
月は、地上から見えなくたって雲の向こうで浮かんでいる
わたしは無限に広がる夜へと足を踏み出す
このまま月まで行くつもり
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