魂の風〇変容/ひだかたけし
 
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)

わたしが
在る処の私である
とき、
わたしはうちゅう
宙に広がり宇宙に浮かぶ
わたしはありとあらゆる処に在り
ありとあらゆる処の中心に在る
(私は貴女の中にあり貴女は私の中にあり)

秋風が吹く
私は秋風を感じる
秋風は私と共に吹く
私は既に秋風と鳴る

ああ、そうして千年が過ぎ
ああ、そうして千年を遡る

すべて、すべて
   渦を
    巻き
一体化し


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