波/水菜
 
半透明なガラスのような水の膜
その向こうから覗いているのは、わたしの目

何故生きているのですか
そう尋ねているわたし

未来とか将来とか一生添い遂げる人とか家族とか

そこにはそれらはどうでもよいって思ってしまっているわたし

未来がどうなってもよいと思って自暴自棄になっているわけじゃない

どうでもよいって投げ出しているわけでもない

ただただ、今に実感がないだけだ

半透明で水の中のようにただただ手応えのない世界

時間を消費しようと思って過ごしていれば

一日は過ぎていくけれど

別にそれがことさら重要ってことでもない

周りにいる人間もそこまで大事だとも思わない

でも、大事じゃないというわけでもない

そこにいれば手助けはするし楽しい時間を過ごすと思う

でも、それだけだ

ことさらにそれだけだ

何故生きているのですか

波に閉じ込められて

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