さてどうしよう/ただのみきや
どもに言わせるつもりはなかった
ちょうど意識が落ちて夢が目覚める頃だ
鶏が知性を連れて滑り込んで来るのは
この子のために遮光カーテンを引いたら
歩かねばならない陸に上げられた魚のように
朴訥にほどけながら
記号化され
暗号化され
ほとんど無感覚だけど
忘れてしまった何かがしこりになって
肺呼吸が 少しつらい
詩行から娘らの顔が覗いている
行と行の境目から
「あなた次第なのに……
どぎまぎしながら能無しだった
《さてどうしよう:2017年9月2日》
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