少年はギターを抱いて眠る/岸かの子2
あれば
俺たちは無敵だ そう思っていた若い若い若すぎる頃
突然お前はいなくなる
俺は独りぼっちだ
どこへお前は行くのだ
俺を残して夢は掴まないのか
約束はどうした
鉄の塊に撥ねられたお前は白い着物をきせられ
頭には包帯を全部巻かれていつもの様に
ビールを半分飲んで寝た時の様に
美しく横たわっている
ひん曲がったギターが持ち主を無くして困っているじゃん
希望はもたねぇよ
お前がいないと夢なんて叶えられるわけない
お前が愛したギターを形見に
俺はお前と思い添い寝する
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