むらさきせかい/本木はじめ
形状を記憶しているつもりなら今すぐ夢の断片ひろえ
轟音の低音ベースが鳴る部屋で無音のきみがほほえんでいる
失った真夜中ひとり花園で紋白蝶を両手で潰す
密葬す巨大な木々に囲まれてむらさきせかいに降る雨は白
もう二度と咲かない花もあるんだねきみの笑顔がとても眩しい
春のよる寝間着姿でふらふらと三途の川辺を散歩しようか
鉄棒に腰掛けふたり夕空にみつめられてるそんなおもいで
菊の花に埋もれてか細い呼吸するあなたがわたしの影であるとき
浅はかな夢を見ました僕はもう朝から晩までおやすみなさい
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