新説アリとキリギリス/
本田憲嵩
ビョウインにもまんぞくにいけなかったのです。アリは、そのよわったカラダでせきこみながらはげしくこうかいするのです。「ああ、どうせこんなにびんぼうでビョウキになるのなら、なにもあんなにいっしょうけんめいはたらかなくてもよかった」、と。「もっと、キリギリスのようにじぶんのヨッキュウのままに、すきにいきていけばよかった」、と。でも、とうぜんキリギリスだってこのさむさのなかでトウシしているのですがね。にっちもさっちもいきません。
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