広場で手紙を/オイタル
 

 笑いやがった どでかい声で
 格別に濃い オレンジの声で

広場は跳ね上がるオレンジの粒で
冷たい粒でいっぱいだった
格別に濃いオレンジの
それから オレンジの夢
星の残り
不足する時間

僕の手紙は
すこぶる澄んだ文字でいっぱいだった
あと 少しの
滲んだ文字と

 紫陽花は雨の後だから
 希望には なれないよ
 いわばそれは 真新しい手紙
 何もかも終わったあとに届くラブレター
 ようこそ 紫陽花

僕は 手紙を書いていた
ほんとに 小さく 書いていた
間に合わないかもしれない 硬いペン先の文字で
コバヤシくんを 隣に置いて
胸を
少し張って
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