広場で手紙を/オイタル
 
広場で
手紙を書いていた
小さく
手紙を書いていた
ベガの赤い電熱球の震える隅で
コバヤシくんが大きく伸びをして
顔を寄せて
それはラブレターかな
と言った
ペン先の硬い文字で 少し迷って
それから ようこそとぼくは書いた

 ようこそ 紫陽花
 若くて 黒い眼鏡をかけた
 尖った鼻の 紫陽花
 薄い雨に染まった 紫陽花

硬い木のテーブルを
コバヤシくんの指先がカタカタなぞった
友達は 楽しかったって言ってた
友達かどうかは
ちょっと迷うとこ だけど

書いては消した うん
なんども
それはなんども

 紫陽花のやつ
 よくも おれを
 
[次のページ]
戻る   Point(5)