時にそれは雨より鬱陶しい/ムウ
 
時にそれは雨より鬱陶しい

何十何百の文字たちは、雪崩の如く

止める術を失い、入る隙間など

当然のように無い その強さは

アルミホイルの様で

こちらはティッシュペーパーの様で

長針と短針は24回目の遭遇を終えていた


時にそれは雨より自分勝手

こちらの予定などはお構いなしに

右に 左に 上に 下に

自由自在なそれは

デジタルの様で

こちらは融通の利かない

アナログの様で

長針と短針は歩みより頂上を迎えていた


時にそれは雨より情熱的で

木陰に入りひっそりと見守りつつも

引き裂かれる程に 必死に紡ぎ合わせる様に

やがて2人はひとりなってゆく

温める様に 燃え尽くす様に

長針と短針は 愛し合う男女の様に

別れ恋しく思いながら 今日を刻んでいる



また逢える時の楽しみのために

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