ねぇ、どうして?/水菜
静かに甘やかな風が、優しい夜を連れてくる
ねぇ、どうして
やりたいことの欠片が
少しずつ見つけ始めたそれが
わたしの上に羽をもって降り積もっていく
甘やかな夜が、わたしがわたしであるあろうとする意味を連れてくる
ねぇ、どうして
幸せな天使はすこし困ったようなしかめた顔をしているの
気難しそうに気恥ずかしさを隠して
ねぇ、どうして
どうして、幸せの形は一つではないの?
わたしは、そっとなにかにだれかに語り掛けて
答えは誰もしらないし
答えはきっとため息のような柔い甘やかな風もしらないの
わたし、裸足の足を柔らかな水にひたして
そっとそっと
新芽になりかわりのモスグリーン新緑の緑をみてる
立てた膝の上に頬杖をついて
甘やかな風の調べと
寄せては返す波の音が
縁どられた空の青と新緑の緑に優しく彩りを添える
ねぇ、どうして
わたし、今、満ち足りているのかしら
猫のように幸せな気分でまるまるの
優しく優しく風を感じて
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