短詩八編/本田憲嵩
だからこそ
あの場の空気が凍りついたように思われる
自分の書く詩もこのように
真実で
「人人」を凍りつかせるようなものでありたい、
と、
せつにせつに思うのだ
「ネイル」
女が尖った長い爪に
変な色のネイルしてて
男がその女を口説くために、
「お、ソレ良いね!」
なんて、
ウソ、
ウソばっかり!
男が女との性行為の最中に 、
「妊娠してもかまわないよ!」だなんて、
断言するけど、
ウソ!
ウソばっかり!
男が女と再婚するために
女の連れ子のことを、
「君と同じくらい愛するよ!」とか、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)