明け方/草野春心
 


  ずるい 壁のなかに
  流砂めいた音がしまって
  わたしへ近づいて こない
  明け方 俯き 烏龍茶をのみながら
  アンナ・カレーニナを読んでいるわたしへ
  響け おおきな 空間のような 運命



戻る   Point(1)