異邦のリアリティ/
ひだかたけし
生きるのがキツイ
意志が萎えて
今日を乗り切る
ので精一杯
タイトロープに身を預け
垂直に落ちていく時間を想う
足場を失くし耳切る大気の音は
いつか見聴きしていたリアリティ
遥か遠い昔のこと、
深く青い大空を
私はくるくる
舞っていた
深まる青が
己の足場
指し示し
私は秋口
生まれ出た
この地、
懐かしい
この星に
今となっては
異邦のこの星に
生きるのがキツイ
此処まで導かれ
意志の息切れ
只吐き出す
リアリティ
戻る
編
削
Point
(4)