宿命め/吉岡ペペロ
 
50年後の今夜、満月だ

生暖かくて湿気てはいるけれど

町明かりは遠くまではっきりと見える

夜の風のなかにはもう秋を感じる

宿命められている

それは不自由を言うのではない

全体主義が個人を軽んじているわけではないのと同じだ


宿命めがぼくらを磨くのだ

文句は小出しに言えばいい

宿命めがぼくらを磨くのだ


50年後の今夜、満月だ

生暖かくて湿気てはいるけれど

町明かりは遠くまではっきりと見える

夜の風のなかにはもう秋を感じる

宿命められている

それは不自由を言うのではない

全体主義が個人を軽んじているわけではないのと同じだ





戻る   Point(1)