白鷺/◇レキ
生きていることの内にしか僕は生きない
気にしなくても佇んでいる
僕は僕以上になりはしない
様々な色を水面に映して いつも感情は儚く色をまとう
その細やかな手触りを生きていることが内包してくれる
白鷺は綿毛の様に 水面を飛ぶから
それだけで「今」は肯定されるさ
人の底にあるのは自身への根っこで
誰もいつでも同じだろうけど
だからこそ僕は強く誰かに会いたがる
そっぽを向くささやかな風をその
自身への根っこに吹かせながら
また今日がある事に
僕は行き止まりを見る
例えば今日の悲しみを
安心して踏みしめる
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