ゆり/はるな
そらがあおいと
どうして詩をかくんだろう
泣いたりわらったりするだけでもよいのに
どうして詩をかくんだろう
ごはんをたべたり眠ったり
恋をしたりひとを嫌いになったり
死にたくなったり死にたくなくなったりしながら
活けた花を捨てながら
あまいコーヒーを飲んだり
ときどき残酷なことがしたくなって
蟻の巣をみにいったり
わたしの手はどうしてせんをひく
月曜日も火曜日もひらかなかった百合が
水曜日にはすこしめくれて
つぎの日にはもういなかった
どこにもいなかった
いないのにどうして詩をかくんだろう
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