理不尽/吉岡ペペロ
いなら、四回目の理不尽にも堪えればよかったのか。
そんなことじゃない。それは別の話だ。
じっとなにかを見つめている。浄めていくなにかを見つめている。
理不尽なことは誰にでもたびたび訪れる。
ひとならば誰もが、他者よりも自分を立てたいものだ。
だから理不尽なことに堪えきれず反撃、もしくはあからさまな無視をしてしまう。私もそうだ。
でもそんなことでは、人格の完成には至らない。
理不尽が降りかかる、三回くらいなら堪えられる、四回目には堪えられなくなる。
頭では分かっている。
こんな理不尽に堪えることでしか、私には浄めきれないなにかがあることを。
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