三十五歳/
葉leaf
済んで樹々の隙間を抜け駐車場へ。車に再び乗りこむとそこは彼の城だった。車のボディのように硬くすべての悪意と攻撃を華麗に反射しながら、しなやかに街路を抜けていき、やがて至る国道において一面の風景を視野に収めながら人生の見取り図を作る。事件には些細なものと重大なものがあり、人生の事件にも一つ一つ付箋を貼りながら対処法をメモしていく。国道の果てにはオフィスが待っている。オフィスに着くまでの経路は死へ至るまでの人生だ。
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