foundry/laundry/むぎのようこ
 


カルキの匂い
アメーバみたいに増殖した
しろい壁
はくじつに月をさがしては
乱反射する陽ざしに
はついくする町の
すみっこ
うとんでも埋めつくしても
あい、とは名づけない

季節を洗い上げては
円心分離した体温が
夏になる
しろく焼かれた景色から
脱出したプリズムが
排水口をつたって
ささやいた

ラヴユー、

ファウンドリーランドリー
夜がすこやかに
あやめてくれるまで
繋ぎ止めた鉛いろの回路
あざやかに熟れてゆく
町のまんなかを
突いてはまわるハニービー
つむいでもつむいでも
ほどけてゆくレースのシュミーズ
月はほそく指先にとけて
まよなかを渡らない

アクセラレータ、
通りすぎては漂白をされた
コンティニュー待ちの夏
めぐるばかりにそだつ
身体をぬりこめた、しろい壁
あらって剥いだ旬














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