ocean/ゼロハチ
 
海が私のなかにある


遠くなる

遠くなる

私は昔ひとつぶの泡


私のなかには海がある

荒れ狂う

荒れ狂う

誰も知らない海の上で
私は嵐が過ぎ去るのを待つ


心臓の奥のほう
傷む腹の中
ひっかき傷だらけの腕


歪んでいるのは世界じゃない

悪いのは水ぶくれのできた身体だ


人はそれを遠くから嗤うのだ


みんな、清潔なふりをして



誰も知らないことがある

私は言葉を持ち

その言葉によって何度でも生き返ること


100の遺伝子たちよりも
私は言葉を信じている

私の言葉の限界が
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