おかし詰め合わせ/ただのみきや
 

*透けた仕草

ひとりに慣れてる者ほど弱い
愛など名乗らず差し出した
裸の心の体温に
閉ざした扉が勝手に開(あ)いて
訝しむような素振りだが
ねだることは変わらず苦手
自分と掴みあったまま
いつまでたっても動けない 
手持ち無沙汰の指先が
傷口のファスナーを弄ぶ




*あいうえお

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…
・・・・・・・…・・…・・・…・・・・・・…
・・・・・…雨
・・・・…いま  「大きなカタツムリだよ 」
・・・…生まれた――――
・・・・…笑む  「嫌いだって言ったのに 」
・・・・・…音
・・・・・・・…・・…・・・…・・・・・・…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…





             《おかし詰め合わせ:2017年7月29日》







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