雨鳥/ヤスヒロ ハル
 
雨の夕暮れは静か
魂が濡れるに任せて
ただ風は流れる
雨雲は青々と輝いて
名も知らぬ鳥の姿を溶かす

嗚呼
わたしは安心したいのに
地球が優しく泣くから
その肩をそっと抱いて
慰めを探さねばならない

たとえば虹
穏やかな波
涼しい風
季節の花
果実の味
いきものの愛
暖かい陽の光などを

そしていま
雲から千切れた鳥が
その羽に触れた雨粒を
果実に変え
その種子から延びた蔦が
白砂に待つ雛をあやすを見る

鳥は透明な空を目指す
七色の風のなか
ささやかな夕焼けを纏って
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