女神の抱擁/
ただのみきや
パックリと開いた
やがて震えながらひとつの点が
蠅の気流の囁きで
その睫毛を刺激する
Venus flytrap
女神は抱擁するが
その乳房はわたしの心臓
乳はわたしの血
啜られながら消化して
殺しながら育てている
彼女の抱擁が解かれるまで
そこになにがいるのかもわからないまま
《女神の抱擁:2017年7月22日》
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