碗/遙洋
あたらしい方法
をさがすようにして、さまよい
さがしあてたように、一つの碗を手にする
テーブル
しずかに碗を置く
そそいでも崩壊しない強度なら
わたし自身も持ち合わせているはずなのに
ほころぶ箇所がいくつでも見つけられるという
もう、間に合わせでは、いけなくなってしまった
無色透明でも
重さはごまかすことができない
わたしは、とことばを発すればいくらでも、ごまかすことができた
けれど重さは、ごまかせない
四度も五度も煎じた茶から抽き出される色彩よりも
もっと淡い
それでも、それは思想といえるの?
わたしはそそぐ
この碗は壊れない
水と器のはだがすれて
川のような音がきこえる
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