絵ソラシドう?/ただのみきや
死の天使は軽妙がいい
悲壮は生にこそ相応しい
諦めもある一線を越えれば解放だ
概念だけの救いなんて幽霊にも劣る
仔犬のように震えている
不安の口に手を突っ込んで
ズルリっと裏返し
かき集めた理屈の切れ端を詰め込んで
縫い合わせたらのっぺらぼう
知的なボタンで目鼻をつければ
頭が抱きしめる縫いぐるみの完成だ
だけど
そこじゃないところ
胸や腹の奥深く
葬り去ったはずの棺の中から
ノックする
不規則で
刺すような
心音が
高く 低く
残りの時間を刻むかのようで
欹ててしまい
眠れない
それも人なら
未知への誘いに
夜明け前
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