stay to the end of June/本木はじめ
縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて
こもん
stay to the end of June目の前に降りしきる雨数え終えるまで
雨の中防犯カメラを次々と破壊してゆく夏のはじまり
漏れているきみの紫じっと目で追えば夕暮れ駅の片隅
胸元をひらけば海が溢れだし応急処置としてのゴーグル
とんでもないオーバーキルが降り注ぎ刹那で交わす人生の岐路
図書館にいる生徒らは別々の世界に在ってたまに交差す
紫陽花に雨のイメージ付き纏う夜の校舎に見慣れぬ少女
目覚めれば蝶の死骸に囲まれていたのだという秘密を守る
澄み渡る空にみとれて三時間ほんとうに大事なことは何だろう
外灯に照らされ夜の雨白く今、今、今が降り注ぐ今
階段を駆け下りる音響く雨模様の朝に拾った釦
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