海辺のカソカ/
ただのみきや
る
男も 女も 学生も 老人も
夕間暮れ
磯の匂いなんてここには
ありすぎてないのだ
*高熱の蝶
雑念の園で
蝶は断たれた
惨たらしい花時計
時は死を
次々に死を重ね纏い
大腿骨は時針となる
葉は羽
葉は刃
葉は波
地を巡る己の影を今抱きしめて
蝶は断たれた
燐寸一本分の生
言葉は乾く
原色のイマージュのまま
《海辺のカソカ:2017年7月1日》
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