ホワイトノイズ/……とある蛙
白濁した海に混濁した意識が漂う
二年漂った結果は
表面がぶよぶよした海月状の肉体
漂うままに
また、意識が突然回復する
白濁した海の彼方の水平線は
鈍色の空に溶け込んで
その先にあるのは雲では無く
灰褐色の黄昏か
耳に届く音はサーッとした
ホワイトノイズ
海中の音ゴボゴボとした空気の音は
全く聞こえず、混濁した意識の中
ザーッという砂嵐のようなホワイトノイズ
海月状の肉体は
寄り添う海月を求めて
白濁した海を漂う
海は凪だが大きく畝って
ぷよぷよした肉体は
波間に浮かんでは消え浮かんでは消え
覚醒した意識は
海の音も風の音も聞こえないまま
また、漂ってゆく
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