波/ゼロハチ
あなたがあの夜話そうとしたこと
わたしは聞かなかった
朝になり、あなたはこの世界からいなくなった
あなたが名前を教えてと言っていたこと
わたしは教えなかった
夜が訪れる前に、あなたもこの世界からいなくなってしまった
こんな風に、いなくなってしまう
ぬくもりも、手のひらからすぐに消えていった
あなたたちは、私にとって全てだったのに
わたしなんかが朝を迎え
わたしなんかが夜に佇む
毎日毎日、命を食いつぶして
わたしはどうして生きているのだろう
わたしは今もくりかえしている
二度と触れられることもない
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