くまとねこ/
はるな
雨のなか
であったくまとねこは
べたべたに濡れて抱擁をした
たばこを吸いますか?
とねこは言った
ええ、いいえ、わたしは。
とくまは言った
雨樋を水が
のろのろはしっていく
大事なことやそうでもないことを
話したり 話しあぐねたりしているうちに
ひとつのぬれた毛玉になってしまったねことくまを拾い
雨上がり
しけた煙草に火をつけようと
愛しい人が背をまるめている
[グループ]
戻る
編
削
Point
(4)