東京の駅/吉岡ペペロ
 
がら

ちっぽけな玄関開けたら光


東京の駅は地方のひとなら知らないような駅でもでかい、栄えてる

そんな駅へと向かう道

彼女に遠くを見つめさせながら歩いてる

さっきまでなんかいも見つめられてたこと感じてた

もうさよならだから、たくさん練習したから、まるでゾーンに入ってるみたいだから、

ベンチの背中に季節の花が咲いてる

ふたりはそこには座らない

ふたりともこれからの人生のほうが長いから

最後だ、なんて

ふたりにはもったいない言葉のはずなのに

燃え上がることもないくせに、胸だけが、苦しくて切なくて痛くて重い









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