砂と 巡りと/
木立 悟
浪と雷鳴
岩に散る火
曇を照らす
縦を照らす
海は白く
雨の柱
かき混ぜながら
自ら溶けて
夜明けを吸い
夜明けを吸う
何処へも行かず
止まぬ震動
波の終わりに消える花
はじまりの無い朝のはじまり
岩のはざまの暗がりに
午後と真昼を繰り返す
応えない人の周りを
小さな音が護っている
目を閉じれば光になる音
いつか見たはずの花になる音
重なるものらは白を打ち寄せ
渦は渦のまま岩をなぞる
水に立つ星 沈む星
砂の足跡に花を落とす
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