砂と 巡りと/木立 悟
 




浪と雷鳴
岩に散る火
曇を照らす
縦を照らす


海は白く
雨の柱
かき混ぜながら
自ら溶けて


夜明けを吸い
夜明けを吸う
何処へも行かず
止まぬ震動


波の終わりに消える花
はじまりの無い朝のはじまり
岩のはざまの暗がりに
午後と真昼を繰り返す


応えない人の周りを
小さな音が護っている
目を閉じれば光になる音
いつか見たはずの花になる音


重なるものらは白を打ち寄せ
渦は渦のまま岩をなぞる
水に立つ星 沈む星
砂の足跡に花を落とす






















戻る   Point(3)