好きに膨らませた恋の中/
春日響
一人 先を走っていくあたしの眩暈
きらり光る高価な指輪
腹痛の起こる笑い声
ゆらり
手に引き戻されて
眩暈をあたしは掴めない
溺れてしまえば苦しくない
目をとじて
眩暈を先へ先へ走らせろ
溺れてしまえば抜け出せない
眩暈のことは忘れてしまえ
くらり
その場に倒れて進まない
その場に倒れて進めない
ほらね
その手に引き戻されて
眩暈をあたしは掴めない
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