紫陽花/
葉leaf
木陰に咲いたまだ幼い紫陽花
その淡い色でもってひっそりと
この初夏を表彰している
この季節を顕彰している
自らを初夏に捧げることで
美しい献花となり
裂け目だらけの日本を
控えめに讃頌している
もはや見捨てられたもの
あまり顧みられないもの
この衰退する国家の初夏を
紫陽花はそれでも表彰するのだ
自らを生きた花束として
戻る
編
削
Point
(2)