羽虫の闇/ホロウ・シカエルボク
同じノイズを一斉に発し始める、それはまるでジョン・ゾーンのサキソフォンみたいに空気を切り刻む、ハハハ、俺はまた笑い始める、虫が、虫が追いつかない、ノイズは俺を安らかにさせる、どうしようもない、すべてを投げ出すときが来た、ベッドはすぐそばだ…圧倒的な敗北は心を楽にさせるものだよ、俺はベッドに身を横たえる、ひとかたまりになって、まるで大きな一匹の虫のようになった奇妙な生物が俺の目を覗き込む、悲鳴には飽きた、怒りには慣れた…
そしていつか、こうしていることにも鈍くなるだろう。
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