惨めさ/草野春心
 


  ひかりをやぶき
  いくつものかたちが
  そのかたちをしているのをみる
  それは偶に 惨めなことだ
  
  夕焼けに似ていない
  コロッケに似ていない
  どうでもよさに似ていない
  ひかりをやぶき くらやみをかぶり

  ただ ふりしきる雨のように
  わたしたちのなにもかもが
  わたしたちを覆っていく
  それは 実に 惨めなことだ



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