すみれ日記 06.17/もっぷ
 
変わらぬ思いを誓い合うために
少女と手をしっかりとつないでその泉を訪れた
母と子のように見えても実は
一卵性の独りっきり
ほとりに辿り着いてふと気づく
少女がいまにも泣き出しそうなことに
瞳になみだをいっぱいに溜めて
それがいまにも零れ落ちそうなことに
もどろうか
うん
不思議と迷わずに樹海を抜け出ると
突然に現れた
必然の高層ビル群
そのどれが良いのかを決めたのは少女で
二人は躊躇うことなく果てしない
ビルの隙間の螺旋階段を上りはじめた


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