丘の上のふたり/ペユ
おそろしかった日々は雪のように溶けていった
ね 言葉は するどい雹となって 僕やあなたを傷つけた
殴る手はそこまで届かないけれど 言葉はそこに入り込んでくる
愛の言葉が ときどき僕やあなたの心の底に届くように
銃弾となった 血 を吹き出させる 何も知らない兵士たちの言葉も
僕やあなたの心の底に 打ち込まれていく
何度も何度も 僕とあなたはそれに どれだけ静かに耐えてきたことだろう
言葉を 愛と慈悲以外の場所で 空に浮かべたくはなかったから
覚えていますか?
僕とあなたは 長いこと 一言も口をきかなかった
光と光が交差するように あなたと視線は何度も交
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