週末/哉果
んだと呆れ声で漏らせば怯えたようにこちらを振り向いて怒っていないことに安堵した君はようやくへらへらと笑って肩を貸すようにせがむけれど長くそろえた常夏色のあわい爪がぴかりぴかりと光沢するたびにとても厭な飛行機の?がビルに突っ込んでゆく
テレビがぼやけてとても観ていられないので温泉に行きました
プールサイドはもぬけの殻で
覚えていられるように忘れないでください思い出すために忘れてください熱が出た日にうなされる鯉のように
明日は昨日の続きではなくそこにいるかれらは皆皆まるい夏蜜柑と肉であり
潰れてしまった皮にクリームが溢れて手の指をつたって落ちる絶望の意味を知っていますか
手を振ってさようならラーメン屋ののれんをくぐる
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