ばあちゃん/一 二
 
ばあちゃんよ

あなたの息子であり
わたしの叔父の命を
どこかに連れ去って言ったオートバイに
わたしが好きで乗っていると思わないで

「昭和ヒトケタ生まれの女は嫉妬深い」
あなたはいつも言っていたでしょう

なぜわたしの前に幽霊になって現れないの
孫への愛の深さはその程度だったの

まだだ、まだ乗るのだ
あなたが会いに来てくれるまで
会いたくて仕方ないのだ



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