小娘のおっぱい/藤鈴呼
 

真夏が似合いそうなシースルー
英字新聞のような洒落っ気も忘れず
透明感に包まれた肌

演出するのは若い監督
そこ もうちょっと 寄せて上げて

何時だって実物は黴嫌いだ
より美しく 魅せようとする

私はあの方に憧れているんです
なんてウソウソ

したり顔で呟いた視線が
斜め下に隠されていること

とうに知っているでしょう
とお 数える 必要性もなく
じゅう 唱える 必然性もなかった

そんなことは重々承知の助と はしゃいでから
振り返った瞳に映る小娘は

ちょっと しわしわで
ぷっと笑いそうになる

きっと 皮肉めいた唇の角度だと
鏡を見
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