浮上するサイレン/霜天
 
は、着地点を探すことに必死で
もうどうでもいい喉につかえたものを
吐き出すためのサインを待っている
積み上がった意識は崩されないようにと
心音にさえ怯えて動けない
始まれない私のつかえたままの音
どこかから、遠くから、遥か
呼びかける、呼び寄せる
朝の音
はじまりの


 透明な
 ように見せ掛ける
 朝のそら
 戸の開く音


いってきます
その奥に呼びかける
いってきます
響いた
つまずくような仕草で駆け出した姿
そこからの


いってきますと湧き上がるどこかから響く音
サイレンの、ような
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